おまえは、耳を持たぬ者か。
「・・・・大いなる者 ですか。」
「そうだ。」
少しの沈黙ののち、私は 問うた。
「では、あなたは、私が暮らす地上において
多くの人が言う『神』と呼ばれる者なのですか。」
「おまえは耳を持たぬ者か。それとも、頭を持たぬ者か。
私は、大いなる者だと告げたはずだ。
ついでに伝えておこう。
彼ら(神の名で呼ばれる者たち)は、全て 私の 下部(しもべ)だ。」
「神が下部・・・。では、
あなたは神々の上に立ち全てを統括し、世界を産み出した者なのか?。」
「上?下?世界を産み出す?
解らない事を言うな、おまえは。」
「ですが、多くの神は(全てでは無いが)、
世界を創造したのは 自分だと言っている。」
「ははは。面白い事を言うな、おまえは。
世界の創造?
私にも出来ぬ事を、私の下部の神たちに 出来る筈も無いだろう。
世界は、創造されたものではない。
在るとも言えるし、無いとも言える。
世界とは、道に転がる石ころの様なものだ。
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