おろか者よ。

ぱーぷーぼうや

2011年03月25日 21:04



「つまり、大ヘーゲルの云う処の、アウフハーベンですか?」
「名を付けようとするな。
 ヒトの悪い癖だ。
 すでに失った、悟性で感じ取れ。
    おろか者よ。」

「おお! そう言って下さるのか。
 私は、 おろかな者だ。それを、誇りに今まで生きて来た。
 そうだ。私のおろかさこそ、私が人で在ると名乗る、
 私の最後の、・・・僅かに残った尊厳だ。」

「はっはっは。(手を打って笑う)フムフム、。面白い男だ。
 賢さと愚かさとが、同じものだという事だけは理解したようだな。」

「そうですね。賢さと愚かさとが、同義語なのと同じく
 誠実と不誠実とが、同一物なのは理解できます。」

少し、間をおいて、
「あなたは先ほど、0と無限は同じものであり、全ては繋がっているとおっしゃった。
 では、私とあなたとも繋がっているのか?」
「あたりまえだ。」
「ならば、さらに伺おう。
 あなたが私を統括するように、
   私もあなたを統括できるのか?」
「あたりまえだろう。
 私もおまえも全ての中の、一部分でしかない。
 関連を無視した分割は、無意味だ。
 
 終わりが無いのは、  始まりが無いからだ。

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