食わずに暮らす十か村の民衆。その壱。
むかしむかし、ある所に、上に赤いの字が乗っかる様な、貧しい村があった。
村人みんな、一生懸命働くのだが、何としても貧しい。暮らし向きは、いっこうに楽くにならない。
3年続きの凶作の、秋が暮れようとしていた。
村では幾晩もの寄り合いが、続いている。
[よわったのお~」「こまったのお~、このままではとてもこの冬は越せめいぇ。」
「今まで何度も苦しい年は有ったども、そのたんび、草の根までかじって凌いで来たこてが、
今年ばかりは、もうどおにもならねいぇ。」
「どうしたらいいのかのぅ。このままじゃぁ、村ごと飢え死にじゃあ」
今夜も話は、こまったのぉ よわったのぉばかりで、さっぱり解決の糸口は見つからない。
夜は、とっぷりと更けて、更にしらみ始めるばかり。
そのうち、誰かが
「これだけワシらが働いても働いても暮らし向きが楽んなんねえのは、
びんぼう神のせいじゃあねいかとこてね。」と、言い出した。
始めは
「まさか。ソンな馬鹿こくでねぇ。」とは言ってみた皆んなも、
「オウヨ、おれもその話、ばさまから聞いた事あるぞなこてね。」
「わしも、じさまから聞いたわ、わがは、どうじゃ。」
「おう、村にとりつく、びんぼう神の話しじゃぁろうが。」、と村衆がせいだすと、
さて、もしかしたら、そうなのかもしれん。
いや、たぶん、これは、そうなのだろう。
ついつい、
これは、絶対、びんぼう神のせいに、違いない。
と言う事に話は決まった。

こうなると、話は早い。
「どうせこのまま餓えて死ぬのなら、びんぼう神をとっ捕めてくれるだねかや。
飢えで死ぬのもバチで死ぬのも、死ぬはおなじじゃぁ。のう、皆の衆。そだねかや。」
「おうよ。どおせなら、びんぼう神も道ずれじゃぁ。」
続く。
村人みんな、一生懸命働くのだが、何としても貧しい。暮らし向きは、いっこうに楽くにならない。
3年続きの凶作の、秋が暮れようとしていた。
村では幾晩もの寄り合いが、続いている。
[よわったのお~」「こまったのお~、このままではとてもこの冬は越せめいぇ。」
「今まで何度も苦しい年は有ったども、そのたんび、草の根までかじって凌いで来たこてが、
今年ばかりは、もうどおにもならねいぇ。」
「どうしたらいいのかのぅ。このままじゃぁ、村ごと飢え死にじゃあ」
今夜も話は、こまったのぉ よわったのぉばかりで、さっぱり解決の糸口は見つからない。
夜は、とっぷりと更けて、更にしらみ始めるばかり。
そのうち、誰かが
「これだけワシらが働いても働いても暮らし向きが楽んなんねえのは、
びんぼう神のせいじゃあねいかとこてね。」と、言い出した。
始めは
「まさか。ソンな馬鹿こくでねぇ。」とは言ってみた皆んなも、
「オウヨ、おれもその話、ばさまから聞いた事あるぞなこてね。」
「わしも、じさまから聞いたわ、わがは、どうじゃ。」
「おう、村にとりつく、びんぼう神の話しじゃぁろうが。」、と村衆がせいだすと、
さて、もしかしたら、そうなのかもしれん。
いや、たぶん、これは、そうなのだろう。
ついつい、
これは、絶対、びんぼう神のせいに、違いない。
と言う事に話は決まった。

こうなると、話は早い。
「どうせこのまま餓えて死ぬのなら、びんぼう神をとっ捕めてくれるだねかや。
飢えで死ぬのもバチで死ぬのも、死ぬはおなじじゃぁ。のう、皆の衆。そだねかや。」
「おうよ。どおせなら、びんぼう神も道ずれじゃぁ。」
続く。