白湯を 下さい。

「あの、 白湯を 下さい。」
山止薬局の薬剤師 岸本は
三歩後ずさったが、よく持ちこたえ

本来の、
蔑笑を含まない
親愛の笑顔で 応えた。

「どうなされましたか。」
「いえ、子どもが、お腹を、こわしたので、・・・。」
「そうでしたか。」

少し間を置いて、

「奥さん。すみません。
今、白湯を、切らしていまして。
でも、同じ様な物ならご自分でも、作れますので、
お教えしましょう。」

簡単な走り書きのメモをわたしながら、
「早く好くなると良いですね。」
と、また、微笑んだ。

まだ若い奥さんは、
軽い会釈と、これまた、微笑を持って
「ありがとうございます。」と
白湯の作り方の
メモを受け取った。


タグ :続く。


2012年08月04日 Posted byぱーぷーぼうや at 21:29 │Comments(0)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。